トリミングというと犬用の美容という意味合いがありますが、実は外見をきれいに保つためだけではありません。
トリミングでは、毛をカットする、ブラッシングする、歯を磨く、爪を切る、肛門腺を絞るなど犬にとって健康を保つうえで重要な要素がたくさん入っています。
もしトリミングをしなかったらどうなってしまうのでしょうか?
①毛が伸びすぎて熱中症になる
犬の種類によってダブルコート(毛が二重になっている)とシングルコート(毛が一重)に分かれます。特にダブルコートのワンちゃんは暑さに弱く、夏ではなくても熱中症になってしまうケースがあります。
こまめなブラッシングはもちろんですが、気温が高い日が多くなってきたら毛を短くカットしてしまうのも手です。
見た目にも涼しく、抜け毛も減るのでお掃除も楽ちんになります。
②爪が伸びすぎて足を痛める
爪はそのままにしておくと、丸まって伸びていき肉球に刺さるようになってしまいます。特に室内犬はコンクリートで削れることが少ないので伸びやすくなっています。
定期的に短くカットしておかないと、肉球を傷つけ、その肉球が痛いため変な歩き方になって最悪の場合は骨折や骨格が歪んでしまいます。
③歯を不潔にしておくと歯石がたまって歯周病になる
犬にとって食べることは生きていくことといっても過言ではないほど重要なことです。健康に何でも食べることが長生きの秘訣でもあります。
そのためには歯が重要で、人間と同じく歯がダメになってしまうと途端に健康を害してしまうケースが多いものです。
おうちでしっかり歯を磨いているのに、歯医者さんに行ったら実は虫歯ができていた!歯石がたまっているので定期的に取ってもらうというのは人間でもあります。
同じような感覚で、犬もプロに歯石を取ってもらうことで歯周病を防ぐことができます。
歯石がなくなると口臭も少なくなり、ケアが楽になります。
④シャンプーをしないとダニや毛玉がつき皮膚の病気になる
長期間毛が汚れたままになってしまうと、毛の奥まで汚れがたまり皮膚が炎症を起こしやすくなります。自宅でシャンプーを定期的にしておけば安心ですが、実は乾かすまでが一苦労。
ペットサロンでは業務用のドライヤーを2台使って一時間くらいかけて乾かしながらブラッシングをします。
大型犬となると二人係りということもしばしば。それくらい乾かすことがとても重要なのです。
生乾きは皮膚病を悪化させてしまうことにつながりますし、毛が多いワンちゃんの毛の根元には汚れが多くたまっているからなかなか乾きにくいのです。
シャンプーを長い間しないと毛玉もできやすくなってしまうので、せっかくきれいな毛をカットしなければならないケースもあります。
ダニなどを散歩から持ち帰らないためにも清潔な毛を保つことが大切です。
普段何気なく通っているトリミングは、実は犬にとって健康管理そのものでもあるのです。
飼い主さんが日々過ごしている中で気になることや気が付いたことを、気軽に相談できる場でもあります。
場合によっては動物病院の受信をアドバイスされることもあります。
いつまでも元気でかわいく過ごしてもらうために、こまめなお手入れを行うのは人間も犬も同じですね。