盲導犬として働いている犬は、どうやって選ばれているのでしょうか?
盲導犬は、健康で盲導犬として働くことのできる性質の持ち主の父犬と母犬の間に生まれた子犬の中から選ばれます。生まれながらにして普通の犬とは違うのですね。
生まれた時から盲導犬としての素質を持った犬が特別な訓練を受けるわけですから、まさに選ばれしエリートですね。
盲導犬のための施設にはこれまたエリートの母犬が安心して出産することのできる分娩室まであるのです。ここで生まれた盲導犬のエリートの子犬たちは、2か月が経過するまでは母犬と兄弟たちと一緒に過ごすのです。
2か月になった子犬は1歳になるまでの間の10か月間程度を、パピーウォーカーというボランテァさんに預けられます。
普通の家庭の中で一人の犬として人間との信頼関係を築く大切な期間です。パピーウォーカーは盲導犬になるために生まれてきたワンちゃんを人間社会とはこういうところだと教えるために色んな所へ連れて行ったり、いろんな遊びをしてあげたりするのです。
人間と触れ合うことで、社会のルールや人間と自分の違いなどを学んでいくことになります。
1歳を過ぎたころ、さっそく盲導犬になるための訓練が始まります。
人間と関わり合いながら、言葉の意味や褒められる子との嬉しさを学んでいくのです。
盲導犬の訓練は日本でも英語で行われるのですが、これは日本語だと「よし」という言葉に「いいよ」「じょうず」「いいね」など様々な言い方がありますよね、でも英語だとただ「GOOD」だけ。
いろんな訓練士が声をかける中で統一されているということが犬を迷わせない方法だからです。
パピーウォーカーから離れて、訓練所に入ったからと言っていきなり厳しい訓練を受ける訳ではなく、トレーナーと徐々に心を通わせてだんだんといろんなことをできるようになっていく感じです。
もちろん歩き方、誘導の仕方、エレベーターの乗り方など普通の犬には必要のないことも覚えなくてはいけません。それを乗り越えられた犬だけが盲導犬として目の不自由な方のパートナーになることができるのです。
いくつもの試験を突破して、最後にはパートナーとなる犬と目の不自由な方が一緒に共同訓練をします。相性で最後は判断されるのです。犬にとっても緊張する一日でしょうね。
共同訓練が終わると、卒業になります。
新しい生活のスタートです。
スムーズに生活に入れるように訓練士が引取り手の目の不自由な方の生活圏内を盲導犬と共に練習します。
そのあとも定期的に訓練士さんがフォローをしてくれる仕組みになっています。
盲導犬は大抵は10歳を迎えると引退になります。
仕事を終えた盲導犬はパートナーと離れて引退犬を飼育してくれるボランティアさんに引き取られたり、盲導犬のための施設で仲間と一緒に遊んだりしながらみんなに愛されて暮らしています。
盲導犬として仕事をしているときにずっとつけていたハーネスはもう付ける必要はありません。
自分だけの自由な時間をのんびりと楽しむのです。
たまに、以前のパートナーが施設に会いに来てくれたりもします。
かつてのパピーウォーカーが引き取りを希望してくれることもあります。
盲導犬として働いてくれたことに、みんな感謝の気持ちでいっぱいです。
スポンサーリンク